CRM戦略とは?事例や戦略を立てる4つのステップを解説

2024/04/26

顧客管理は現在のビジネスでは成長の成否を決めると言っても過言ではありません。顧客管理業務がアナログで煩雑になり、ミスや売上に繋がらない業務に時間を消耗している会社も多いと思います。

アナログ的な顧客アプローチではビジネスを拡張するには難しく、限界があります。このような課題を抱えている方にはCRMの導入がおすすめです。

本記事ではCRMとは何かから、CRMにより、自社ビジネスがどのように改善されるか、メリットや事例を紹介します。

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CRMとは?

CRMは視点や立場によって「CRM」の意味が異なってきます。
改めてCRMに定義を解説します。

CRMとはCustomer Relation Managementの略で、日本語にすると「顧客関係管理などと訳されます。
製品またはサービスを提供する企業が、顧客との間で深い信頼関係を築き、購入してくれた顧客をリピーターにリピーターからファンになるような活動を行う経営手法です。

また、CRMの目的は顧客との関係性、コミュニケーションを管理して従業員や顧客との関係を一元的に管理することです。

CRM戦略とは?

CRMとは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略のことで、一言でいえば顧客管理システムのことです。ある顧客は以前何を買ったのか、男性なのか女性なのか、年齢などをデータとして管理します。管理するデータは社内で共有し、活用。次のセールスに役立てるマネジメントシステムのことです。

例えば、化粧品の通信販売会社がCRMを導入したとします。顧客はWeb上のコンタクトフォームを通して商品を購入すると、顧客情報がデータ化されます。この顧客情報を元にコミュニケーションを図って顧客との関係性を深め、次のセールスに繋げるのに大変に役立つシステムです。

これまでのCRM戦略は顧客情報を獲得できるようなビジネスモデルだけに限定されていました。現在ではインターネットの普及により、BtoBからBtoCまで幅広くCRMの導入領域は広がってきています。

主なCRMのサプライヤーは、株式会社セールスフォース・ジャパンやHubspot Japan株式会社などです。

CRMを戦略的に運営するメリット

企業がCRMを戦略的に運営すると効率的に業務を行うことができ、生産性の向上に繋げられます。主に得られるメリットは大きく以下の5つです。

  • 社内全体で顧客情報が共有できる
  • セグメントごとの営業
  • 顧客のLTVの測定ができる
  • 顧客ニーズの把握で満足度向上
  • マーケティング戦略の根拠となる

それぞれ詳しく解説します。

社内全体で顧客情報が共有できる

CRMを導入すると、顧客がどのような接客をされてきたのかを社内全体で共有することができます。

ある顧客が商品を購入し、使い方のお問い合わせがあったとします。オペレータが対応して、お問い合わせ内容をデータベースに登録します。その顧客がもっと詳しく知りたいので再度お問い合わせをした時、違うオペレーターが対応しても、過去のお問い合わせ履歴を参照することが出来るので、親切な対応をすることができます。

また同じようなお問い合わせを何度も受けないように、よくある質問ならFAQをサイトに設置したりの改善を行い、業務の効率化を図ることができます。

セグメントごとの営業

CRMを導入すると顧客データを可視化し、顧客をセグメント毎に分類し、適切なセールスプロモーションを行うことができます。

例えば、いつも商品を購入くださるロイヤルカスタマーだったら、新商品の紹介をしたり、クーポン券をプレゼントしたりします。また購入からしばらく遠のいた休眠客なら、もう一度買いたくなるようなセミナー動画などを案内して、もう一度購入いただけるような施策を打ったりします。

顧客とのリレーションシップを図ることができるのです。

顧客のLTVの測定ができる

CRMを導入すると、顧客の購入情報も可視化することで、LTVを計測可能です。

LTVとはLife Time Value の略のことで顧客生涯価値ともいいます。顧客がその企業の製品やサービスに支払う合計額のことです。

LTVが可視化されると、一人の顧客を獲得したらどれくらいの売上が見込めるのかがわかります。
また、売上目標に対しての広告費などを算出することも可能です。

顧客ニーズの把握で満足度向上

CRMを利用することで、顧客一人一人のあらゆるデータを蓄積して分析することができます。過去の購買履歴や対応履歴情報、アプローチに対する反応などの情報を収集できるため、お問い合わせ時など顧客ニーズに合わせた対応が可能となり顧客満足度が向上が考えられます。

また、顧客の興味関心の指向性を知ることができるため、成約率の高いアプローチをすることにも繋がるでしょう。顧客にとって不必要な情報の配信を未然に防げるため、さらなる満足度の向上に繋がると言えます。

マーケティング戦略の根拠となる

CRMでさまざまな顧客情報を蓄積することによって、新たなマーケティング施策を打つ際の根拠となるのもメリットの1つです。上記でもお伝えしましたが、CRMは単に顧客のプロフィールだけではなく、購買履歴や対応履歴といった行動レベルの情報を蓄積することができます。

顧客の興味関心や趣味嗜好などを把握し、年代別、地域別といった条件で絞り込むことによって、より精度の高い施策を打つことが可能です。

CRM戦略を立てるステップ

CRM戦略を立てるステップは大きく以下4つのステップになります。

  • ①目標や現状の課題を明確にする
  • ②カスタマージャーニーマップを作成する
  • ③自社にあったCRMツールを導入する
  • ④KPIを設定し運用する

それぞれのステップについて詳しく解説します。

①目標や現状の課題を明確にする

ツールの導入を行う前に、CRMを取り入れることでの目標や課題を明確にしておく必要があります。目標なくCRM戦略を立てたとしても、ツールの効果を最大限に発揮し、顧客を正しい方向性に導くことも困難になるためです。

また、目標と言っても具体化を意識することが大切です。売上を伸ばしたいという目標があれば、具体的な数字はいくらなのか?成約率を課題として捉えているのであれば、具体的に数字をどこからどこまで向上させたいのか?というポイントを意識しましょう。

②カスタマージャーニーマップを作成する

CRM導入の目標が決まったら、カスタマージャーニーマップを作成する必要があります。そもそもカスタマージャーニーとは、顧客がどのように商品やサービスと出会い、購入や契約まで至るのかという行動のプロセスのことです。このプロセスをイメージし可視化した図をカスタマージャーニーマップと呼びます。

顧客の行動の道筋を描くことで、フェーズによってどのようなアプローチを行うべきかといった、マーケティング施策の整理や見直しに役立つでしょう。

③自社にあったCRMツールを導入する

目標やカスタマージャーニーマップの作成が完了したら、自社にあったCRMツールの導入を進めます。CRMツールは初期費用やランニングコストの発生が避けられませんが、企業の目標を達成するために重要なツールです。

顧客データの一元化や社内での情報共有のしやすさ、営業活動の効率化など様々な機能を持っているため、投資効果としても大きいと言えるでしょう。

また、できるだけコストを抑えるためにも、自社の目標を達成するために必要な機能を把握しておくことが大切です。CRMツールには様々な機能が搭載されているため、本来使用しない機能を盛り込んだ製品を選ぶと、思った以上にコストが重なることも考えられます。

④KPIを設定し運用する

導入するCRMツールが決まったら、目標にあった適切なKPIを設定し運用を開始します。CRM導入の効果を正しく把握するにはKPIの設定は必須です。KPIの代表例としては以下のようなものがあります。

・購入ページの流入数
・購入者数
・成約率(CVR)
・客単価
・リピート率

KPIは事業内容によって異なるため、ステップ①で設定した目標に対して適切に設定することが大切です。

CRM戦略を行う上で大事なポイント


CRM戦略を社内で導入する上で大事なポイントは、システムに慣れるまで、時間を要することです。

CRMは業務内容が改善されるため、便利になるとはいえ、日々こなしていた業務は、がらりと変わってきます。戸惑いを感じる場合もあるでしょう。慣れるまで困難に感じ、社内で共有するのに混乱する可能性もあるということを前提に導入すると良いです。CRMサービスを選ぶ際は、サポート体制が整っているかどうかを選定ポイントにすると良いですね。

CRMのサービスには、無料お試し期間というものがあります。一度無料期間を試してみて、会社にフィットするかどうか確認してみることができるのです。またJavaなどのスクリプト言語で、会社にあったフレームをカスタマイズすることも可能にするCRMサービスもあります。

CRMマーケティングを戦略的に行っている事例3選

CRMを実際に導入すると、どんな効果があるのか、導入前の課題、導入後の効果を具体的に示しながら、3社の事例を取り上げて紹介します。

事例①株式会社ワコール

株式会社ワコールは女性向けのインナーを中心にスポーツウェア、アウターウェアをグローバルに展開するメーカーです。ワコールのビジネスモデルは店舗や通信販売業がメインです。2000年からWebストアを立ち上げ急速に成長しています。

ワコールが抱えていた課題は顧客のパーソナライズされた商品のサジェストです。ワコールには約4,000点もの商品があり、顧客が選びきれないことが課題でした。CRMを導入して顧客情報をAI(人工知能)が判断して顧客に最適な商品をサジェストするシステムを開発しました。それにより顧客が商品の選択に迷わず、顧客満足のいくサービスを提供できるようになったのです。

事例②株式会社コミック

株式会社コミックは旅の思い出を形にするユニークなTシャツの販売を行う企業です。実店舗では東京と沖縄にあり、他には法人向けのユニフォーム制作などを受注しています。

コミックはこれまでアナログベースで活動していました。課題は制作工程に無駄が生じ、ミスが多く起きることだったようです。CRMの導入により会社の業務を可視化でき、営業が受注する際に過去の履歴を確認できるようになっています。会社に直接お問い合わせをすることなく、見積もり金額をその場で算出できるようになりました。

大企業のようなスケールでなくても、小規模ビジネスでも、見合った費用でCRMを導入することができます。

事例③株式会社陣屋

株式会社陣屋は鎌倉時代の武将の陣地跡を老舗温泉旅館として、将棋や囲碁の対局舞台としても使えわれることが多く、伝統と格式のある旅館です。

陣屋の課題は、予約の紙や、ホワイトボードに記入するなどアナログな手法を使っていたため、予約のダブルブッキングといったミスが生じることでした。

CRMを導入することで、予約のダブルブッキング問題も解消され、宿泊客データを各部門が共有し、社内全体で宿泊客のカルテを見ることで、前回の宿泊状況を把握できるようになっています。お客様との会話や料理の好みなどホスピタリティの向上に繋がりました。

またFacebookで陣屋のファンページに投稿されたコメントも拾うことができ、顧客カルテに紐付け、更にきめ細やかなサービスを提供できるようになっています。

まとめ

CRMは顧客データを社内全体で可視化・共有することで、最終的に顧客満足度を上げるサービスにつなげます。

ピータードラッガーの言葉で「ビジネスとは顧客を創造して、それを維持すること」の言葉があるように、一度得ることのできた顧客情報をデータ化し、そのデータをどのようにしてパーソナライズ化してLTVを高めることが、CRM戦略そのものと言えるでしょう。

CRMを活用し、アナログの顧客管理から脱却し、顧客満足に繋げられる会社運営を検討してみてはいかがでしょうか。

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